大型二輪はATとMTどっち?迷った時の判断表

大型二輪をATとMTのどちらで取るか迷った時の判断表を紹介する記事のアイキャッチ

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大型二輪を取ると決めたものの、『ATとMT、どっちにすればいいんだろう?』と手が止まっていませんか。料金も時限も違うので、迷うのは当然ですよね。

結論から言うと、乗りたいバイクがAT仕様だけで決まっているならAT限定、少しでもMTに乗る可能性があるなら大型二輪MTを選ぶのが後悔しにくい選び方です。

この記事では、乗りたいバイク・教習の負担・将来の乗り換えの3つの軸で選べる判断表を紹介します。

目次

大型二輪はATとMTどっちがいい?先に結論

先に結論

大型二輪のMT免許は、ATの大型バイクも含めてすべての大型二輪に乗れます。AT限定は時限が少ない代わりに、クラッチ操作のあるバイクには大型も普通二輪も乗れません。

まずは、大型二輪MTとAT限定の違いを1つの表で見てみましょう。

比べる所大型二輪MTAT限定大型二輪
乗れるバイクATもMTもすべてクラッチ操作のないAT車だけ
400cc以下のMT車乗れる乗れない
技能の時限AT限定より多いMTより少ない
操作で覚えることクラッチ操作とギアチェンジがあるアクセルとブレーキが中心
後から変えるなら変える必要がない限定解除の教習と審査が要る

『MTを取ったら、ATのバイクには乗れないのでは?』と思う方もいますよね。実は逆で、MTの大型二輪免許には限定の条件が付かないので、ATの大型バイクにも乗れるんです。

MTの大型二輪免許で乗れる範囲

大型二輪免許は、大型自動二輪車・普通自動二輪車・小型特殊自動車・原動機付自転車を運転できる免許です。MTで取った場合は、このすべてをAT・MTの区別なく運転できます。

AT限定の場合は、免許証の条件等の欄に「二輪車はAT車に限る」のような文言が入ります。ここでいう二輪車は大型と普通の自動二輪車なので、400cc以下でもクラッチ操作のあるバイクには乗れません。

AT限定の中身はAT限定大型二輪免許とはで詳しく紹介しています。

時限数で比べると差はどのくらい?

指定教習所の技能教習の時限数は、道路交通法施行規則の別表第四で決まっています。1時限は50分で、表の数は最短の数です。

今持っている免許大型二輪MTAT限定大型二輪差
何も持っていない・原付だけ36時限29時限7時限
普通免許など車の免許31時限24時限7時限
普通二輪(MT)12時限9時限3時限
AT普通二輪16時限10時限6時限
小型限定普通二輪20時限17時限3時限
AT小型限定普通二輪24時限18時限6時限

学科教習はATかMTかでは変わりません。何も持っていない人は26時限、車の免許がある人は1時限、普通二輪免許がある人は0時限です。

表を見ると、普通二輪(MT)を持っている人は差が3時限しかありませんよね。すでにクラッチ操作ができる人にとっては、MTを選ぶ負担はそれほど大きくないんです。

公道で乗った時の違いもイメージしておく

免許を取ったあとの乗り方も、ATとMTでは少し違います。どちらが上ということではなく、好みと使い方の違いです。

場面MTの大型ATの大型
渋滞や信号の多い街中発進と停止のたびにクラッチ操作があるアクセルとブレーキだけで進める
坂道での発進半クラッチとブレーキを合わせるアクセルを開ければ発進できる
ツーリングの楽しみ方ギアを選んで走る楽しさがある操作が少なく景色に気持ちを向けやすい

『操作そのものを楽しみたい』という方はMT、『乗る時の気軽さを大事にしたい』という方はATに気持ちが傾きやすいはずです。表のどちらの列にうなずくか、一度考えてみてください。

3つの軸で選ぶATとMTの判断表

3つの軸で決める

ATとMTは「乗りたいバイク」「教習の負担」「将来の乗り換え」の3つの軸で考えると決めやすくなります。どれか1つでもMTに傾くなら、MTを選んでおくと後悔しにくくなります。

料金だけで決めると、乗りたいバイクが変わった時に困ることがあります。この記事では、次の3つの軸で判断する方法をおすすめしています。

大型二輪のATとMTを、乗りたいバイク・教習の負担・将来の乗り換えの3つの軸で選ぶ判断の図解
軸ATが向く答えMTが向く答え
乗りたいバイク大型スクーター型など、AT仕様で決まっているMT車に乗りたい、まだ決まっていない
教習の負担クラッチ操作を覚える時間を取りにくい普通二輪MTなどでクラッチ操作に慣れている
将来の乗り換え当分AT仕様のバイクだけで十分いつかMTの大型や普通二輪にも乗りたい

3つともATに当てはまるならAT限定、1つでもMTに当てはまるならMTを考えてみてください。ここからは、軸ごとに考え方を詳しく見ていきます。

例えば、次のような状況なら答えはこうなります。

  • 通勤で大型スクーター型に乗りたい、MTに興味はない人:3つともATに当てはまるので、AT限定
  • 普通二輪MTでネイキッドに乗っていて、大型でも同じ系統に乗りたい人:乗りたいバイクの軸がMTなので、MT
  • 車の免許だけで、乗りたい車種はまだ決まっていない人:乗りたいバイクの軸が決まらないので、MTを考える
  • AT普通二輪でスクーターに乗っていて、いつかMTの大型も気になる人:将来の乗り換えの軸がMTなので、MTも検討

迷う人の多くは、乗りたいバイクの軸がまだ決まっていない人です。その場合は、乗れる範囲の広いMTを選んでおくと、あとで選び直しになりにくくなります。

軸1 乗りたいバイクがAT仕様で決まっているか

いちばん大事なのは、乗りたいバイクです。大型スクーター型や、クラッチ操作のない型のバイクに乗りたい人なら、AT限定でも困ることはありません。

一方で、『あの形のバイクに乗りたい』と思っている車がMT仕様なら、AT限定では乗れません。同じ車種にAT仕様とMT仕様があることもあるので、仕様まで確かめておきましょう。

乗りたいバイクがまだはっきりしない時は、販売店やバイクの展示を見に行って、実際にまたがってみるのもおすすめです。気になる車が見つかったら、その車がAT仕様かMT仕様かを書き留めておきましょう。

ATの大型バイクのタイプは大型二輪のオートマで乗れるバイクで紹介しています。

軸2 教習の負担をどこまで取れるか

MTはクラッチ操作とギアチェンジを覚える分、時限が増えます。車の免許だけの人なら7時限、つまり50分の教習が7回分多くなる計算です。

技能教習は1日に受けられる時限に上限があり、原則は1日3時限、最初の段階は2時限までです。平日夜しか通えない社会人の場合は、7時限の差が通う日数の差になって表れやすくなります。

例えば、こんな会話になることもあります。

「MTにしたいけど、仕事が忙しくて通える日が少ないんです」
「時限の差は7回分なので、週に何日通えるかで期間を見積もってから決めてみましょう」

教習の負担は、時限の数だけでなく、自分の予定に入るかどうかで決まります。カレンダーに通える日を書き出してみると、ATとMTの差が実感しやすくなりますよ。

軸3 将来の乗り換えを考えているか

今はATで十分でも、数年後に『MTの大型にも乗ってみたい』と思うことはあります。そう思った時は、限定解除の教習と審査を受けることになります。

AT大型二輪から大型二輪への限定解除の技能教習は、教習所の案内では8時限とされています。最初からMTを取る場合との時限の差より大きくなることが多いので、将来の可能性も含めて考えておきましょう。

AT限定を選ぶよい所
  • 技能の時限が少なく、通う日数を短くしやすい
  • クラッチ操作を覚えなくてよい
  • 渋滞や低速の場面で操作に気を取られにくい
AT限定を選ぶ時の注意
  • クラッチ操作のあるバイクは大型・普通二輪とも乗れない
  • 乗りたい車が変わった時に選べる幅が狭い
  • 後でMTに乗るには限定解除が要る

持っている免許別に見るATとMTの考え方

今の免許で答えが変わる

同じ人でも、持っている免許によってATとMTの差は変わります。普通二輪(MT)を持っている人ほど、MTを選ぶ負担は小さくなります。

持っている免許ごとに、考え方の目安を表にしました。どちらが正解ということではなく、迷った時の出発点にしてみてください。

今持っている免許時限の差考え方の目安
普通二輪(MT)3時限クラッチ操作に慣れているので、MTを選ぶ負担は小さい
AT普通二輪6時限乗りたい車がAT仕様ならAT、迷うならMTも検討
小型限定普通二輪(MT)3時限クラッチ操作の経験があり、MTを選びやすい
AT小型限定普通二輪6時限スクーターだけで十分ならAT、広く選ぶならMT
普通免許など車の免許7時限乗りたいバイクで決める。MTなら時間に余裕を持つ
何も持っていない7時限学科26時限もあるので、通う期間全体で考える
持っている免許ごとに、ATとMTの大型二輪の時限の差と考え方の目安を並べた図解

普通二輪MTを持っている人

普通二輪(MT)から大型二輪MTは技能12時限、ATは9時限です。3時限の差で乗れる範囲がずっと広がるので、MTを選ぶ人が多い場面です。

普通二輪ありで大型を取る流れは普通二輪ありで大型二輪を取るで紹介しています。

AT普通二輪やAT小型限定を持っている人

AT普通二輪からは、大型二輪MTが16時限、ATが10時限です。今スクーターに乗っていて、そのまま大きなスクーターに乗りたい人ならATが自然な流れですよね。

ただ、『大型ならMTのバイクにも乗ってみたい』という気持ちが少しでもあるなら、MTも候補に入れてみてください。クラッチ操作は一から覚えることになりますが、そのぶん教習で時間をかけて練習できます。

小型限定普通二輪を持っている人

小型限定普通二輪(MT)からは、大型二輪MTが20時限、ATが17時限です。125cc以下のMT車でクラッチ操作に慣れている人なら、MTを選ぶ負担は比較的小さい組み合わせです。

小型限定からのステップの考え方は小型二輪から大型二輪へで紹介しています。

車の免許だけ、または何も持っていない人

いきなり大型二輪を目指す人は、MTが31時限または36時限、ATが24時限または29時限です。二輪に乗った経験がない場合は、取り回しや車体の重さに慣れることも課題になります。

いきなり大型を目指す時の考え方はいきなり大型二輪は取れる?で紹介しています。

MTの大型二輪で苦戦しやすい所

苦戦しやすいのは低速の課題

大型二輪MTで苦戦しやすいのは、一本橋や波状路など、ゆっくり走る課題です。半クラッチとリアブレーキで速度を整える操作が求められます。

大型二輪の技能試験には、一本橋(直線狭路)・スラローム(連続進路転換)・波状路などの課題があります。試験場の基準では、一本橋は10秒以上、スラロームは7秒以下、急制動は40km/hからです。

課題試験場の基準MTで気をつけたい所
一本橋10秒以上で渡る半クラッチとリアブレーキで速度を落とす
スラローム7秒以下で抜けるギアを決めて、アクセルの開け閉めで曲がる
波状路立ち姿勢でできる限り遅く半クラッチを使いながら、ニーグリップで姿勢を保つ
急制動40km/hから乾燥時11m以内で止まる指定の速度に合わせるギアと開始位置を覚える
大型二輪MTの教習で苦戦しやすい一本橋の手前で、大型の教習車にまたがる教習生の後ろ姿

例えばこんな場面がよくあります。

「普通二輪では一本橋が得意だったのに、大型だとすぐ速くなってしまいます」
「車体が重い分、半クラッチの使い方が少し変わるので、目線を遠くに置いてゆっくり慣れていきましょう」

急制動は、ATでもMTでも同じ40km/hからの課題です。MTの場合は、指定の速度に届くギアの選び方も含めて覚えることになるので、最初は戸惑う人もいます。

運転のコツは一般的な教本レベルの話なので、教習では指導員の説明を優先してください。課題ごとのコツは大型二輪の一本橋のコツや大型二輪の波状路とはで紹介しています。

よくある失敗

MTを選んだのに、クラッチ操作に慣れないまま課題の練習に入って焦ってしまう例です。最初の段階では、発進・停止とギアチェンジを丁寧に体に覚えさせるほうが、結局は近道になります。

MTを選んだ人が入校前にできること

MTに決めたら、入校前の準備で最初の数時限をぐっと楽にできます。特別な練習ではなく、気持ちと持ち物の準備です。

MTで入校する前のチェック
  • 半クラッチとギアチェンジの流れを、教本や図で先に読んでおく
  • くるぶしまで隠れる靴で、シフトペダルを操作しやすい物を用意する
  • 通える曜日と時間帯を決め、間を空けすぎない予約を考える
  • 補習が出た時の料金や、保証プランの中身を確かめておく

大型への乗り換えを考えているなら、今乗っている普通二輪やスクーターがいくらになるかを先に確かめておくと、次の1台の予算が立てやすくなります。

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大型二輪のATとMTでよくある相談

多いのは「時間」と「ルート」の相談

知恵袋などでよく見かける相談は、MTの教習時間の多さ、卒業までの期間、どのルートで取るか、の3つです。要約して答えます。

普通二輪MTから大型二輪MTに12時限も要るのはなぜ?

12時限は、法令の別表第四で決まっている最短の時限数です。大型二輪は試験車が700cc以上と大きく重くなり、波状路という大型だけの課題も加わります。

車体の重さに慣れ、課題の基準に合わせる練習をするための時間と考えておくと納得しやすいはずです。普通二輪の経験があるので、学科教習はありません。

大型二輪のMTは1か月で卒業できる?

普通免許だけの人がMTを取る場合、技能31時限・学科1時限が最短です。技能教習は1日の時限に上限があるので、通える日数と予約の取りやすさで変わります。

まとまって通えれば早く進みますが、補習が出ることもあります。教習は9か月以内に終える決まりがあるので、余裕を持った予定を組んでおきましょう。

車のMT免許があるけど、普通二輪を先に取るべき?

車の免許がある人が大型二輪MTをいきなり取る場合は、技能31時限・学科1時限です。普通二輪を先に取る場合は、普通二輪MTが技能17時限・学科1時限、そのあと大型二輪MTが技能12時限になります。

時限の合計は大きく変わりませんが、普通二輪で一度公道を走ってから大型に上がれる、という違いがあります。入校の手続きや費用が2回になる点も含めて考えてみてください。

ルート技能学科特徴
いきなり大型二輪MT31時限1時限1回の入校で大型まで取れる
普通二輪MTのあと大型二輪MT17時限と12時限1時限と0時限間に公道経験をはさめる

普段から250ccのMTバイクに乗っている。大型MTは楽に取れる?

250ccのMT車に乗っているなら、普通二輪(MT)免許を持っている人なので、大型二輪MTの技能は12時限が最短です。クラッチ操作や公道での走り方に慣れているのは大きな強みですよね。

ただ、大型は車体が重く、一本橋の10秒や波状路など、普通二輪にない基準もあります。普段の乗り方の癖が出やすいので、教習では基本の姿勢を確かめ直すつもりで臨むと安心です。

よくある質問

大型二輪免許MTで、ATの大型バイクにも乗れますか?

乗れます。MTで取った大型二輪免許には限定の条件が付かないので、AT・MTの区別なくすべての大型二輪を運転できます。

mt大型二輪とAT限定で、試験の課題は違いますか?

課題はほぼ同じで、一本橋・スラローム・波状路・急制動などがあります。試験車は、MTが700cc以上、AT限定は当分の間600cc以上とされています。

大型二輪マニュアルの教習は、クラッチ操作が初めてでも大丈夫ですか?

大丈夫です。車の免許だけの人や免許のない人の時限には、クラッチ操作を覚える時間も含まれています。ただし、慣れるまでに補習が出ることもあるので、余裕を持った予定にしておきましょう。

AT限定で取ってから、MTに変えることはできますか?

できます。教習所で限定解除の教習を受けて審査に合格し、運転免許試験場で条件を変更します。時限数は教習所の案内で確かめてみてください。

大型二輪のATとMT、費用はどのくらい違いますか?

同じ教習所なら、時限の少ないATのほうが安く設定されていることが多いです。料金は教習所で違うので、AT限定の費用の考え方を見ながら比べてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 大型二輪MTはATもMTも乗れ、AT限定はクラッチ操作のないAT車だけに乗れる
  • 技能の時限の差は、普通二輪MTありで3時限、車の免許ありで7時限
  • 乗りたいバイク・教習の負担・将来の乗り換えの3つの軸で選ぶと迷いにくい
  • 1つでもMTに傾く軸があるなら、最初からMTを選ぶと後悔しにくい
  • MTで苦戦しやすいのは一本橋や波状路などの低速の課題
大型二輪ドットコム

大型二輪ドットコム 編集部

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