AT限定大型二輪免許とは|乗れるバイクとMTとの違い

AT限定大型二輪免許で乗れるバイクとMTとの違いを紹介する記事のアイキャッチ

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大型バイクに乗りたいけれど、クラッチ操作には自信がない。そんな時に気になるのがAT限定大型二輪免許ですよね。

結論から言うと、AT限定大型二輪免許は、クラッチ操作のない大型バイクなら排気量の上限なく運転できる免許です。一方で、クラッチレバーの付いたバイクは、大型でも普通二輪クラスでも運転できません。

この記事では、乗れるバイクを見分ける判定表と、MTの大型二輪免許との違い、選ぶ前に確かめたいことを紹介します。

目次

AT限定大型二輪免許とは?まず押さえたい3つのこと

先に結論

AT限定大型二輪免許は、大型二輪免許に「AT車に限る」という条件が付いた免許です。乗れるのはクラッチ操作のないAT二輪車だけで、排気量の上限は今はありません。

大型二輪は、正式には大型自動二輪車と呼ばれ、総排気量400ccを超える二輪車のことです。AT大型二輪は、そのうちAT機構があってクラッチの操作装置を持たない車に限って運転できる免許なんです。

最初に押さえておきたいのは、次の3つです。

押さえたいこと中身
乗れる排気量AT車なら総排気量に制限なし(警視庁の案内)
乗れない車AT以外の二輪車(クラッチ操作のある大型・普通二輪)
取れる年齢18歳以上(免許の経歴は要らない)

『大型二輪AT限定って、本当にどんな排気量でも乗れるの?』と思う方も多いはずです。実は、ここは以前と今とで大きく変わった所なんです。

以前は650cc以下という上限があった

AT限定の大型二輪には、もともと「総排気量650cc以下のAT車に限る」という上限がありました。この上限は、道路交通法施行規則の改正で、2019年12月1日になくなっています。

当時の上限は、その頃に売られていたATモデルの排気量に合わせたものと解説されています。今は、警視庁も「大型二輪車(ATに限る)は総排気量に制限はありません」と案内しています。

前から持っている人も同じ扱い

改正の時点でAT大型二輪免許を持っていた人も、650cc以下という条件は「排気量の制限がないAT限定」とみなされることになりました。免許証を書き換えに行かなくても、今のルールで乗れます。

免許証にはどう書かれる?

AT限定は、免許証の種類欄で「大自二」と表され、条件等の欄に限定の文言が入ります。例えば「二輪車はAT車に限る」のような書き方です。

ここでいう二輪車は、大型自動二輪車と普通自動二輪車の両方を指します。免許証の欄の読み方は大型二輪の免許証の見方で詳しく紹介しています。

AT限定で乗れる・乗れないは「クラッチの有無」で見分ける

見分け方の結論

AT限定で乗れるかどうかは、排気量や見た目ではなく、クラッチの操作装置が付いているかで決まります。クラッチレバーが付いていれば、普段は使わない作りでもAT車には当たりません。

『スクーターならAT、それ以外はMT』と思っている方もいるかもしれません。ただ、大型バイクには見た目がスポーツタイプでもクラッチ操作のないものがあり、見た目だけでは決められないんです。

法令では、AT車を「AT機構がとられており、クラッチの操作装置を有しない」車としています。つまり、確かめるポイントは2つだけです。

  • 変速が自動で行われる仕組み(AT機構)があるか
  • クラッチレバーなど、クラッチを操作する装置が付いていないか
AT限定大型二輪で乗れるバイクかどうかを、クラッチの操作装置の有無で見分ける流れを示した図解

タイプ別の判定表

この記事で使う、タイプ別の判定表です。迷った時は、上から順に当てはめてみてください。

バイクのタイプクラッチ操作AT限定大型二輪で
400ccを超える大型スクーター型なし乗れる
ギアはあるが自動で変速し、クラッチレバーのない型なし乗れる
400cc以下のATスクーターなし乗れる
クラッチレバーのある大型バイクあり乗れない
クラッチレバーのある400cc以下のバイクあり乗れない
クラッチレバーのある125cc以下のバイクあり乗れない

同じ車種でも、AT仕様とMT仕様が両方あることがあります。中古で探す時は、型や仕様の違いで判定が変わるので、販売店に「クラッチの操作装置がないAT仕様か」を聞いてみてください。

例えばこんな場面です。

「このバイク、ATって書いてあったんですけど、AT限定でも乗れますか?」
「左手のレバーがクラッチかどうかで変わるので、この仕様のハンドル回りを一緒に見てみましょう」

販売店の人とこんなふうに、ハンドルの左側を実際に見ながら確かめておくと安心です。購入の契約より前に聞いておくのが、いちばん手戻りの少ない順番です。

よくある勘違い

「シフトペダルが付いていないからAT」「クラッチをあまり使わない作りだからAT」と自己判断してしまう例です。判断の基準はクラッチの操作装置があるかどうかなので、レバーが付いている車はAT限定では運転できません。

普通二輪や原付はどうなる?

大型二輪免許は、大型自動二輪車に加えて、普通自動二輪車・小型特殊自動車・原動機付自転車も運転できる免許です。AT限定の場合、条件が付くのは「二輪車」、つまり大型と普通の自動二輪車です。

400cc以下でも、クラッチ操作のある普通二輪は運転できない点に気をつけておきましょう。原付や小型特殊のように「二輪車」に入らない車の扱いは、心配なら住所地の運転免許試験場で確かめておくと安心です。

MTの大型二輪免許との違いを比べる

違いは2つ

MTとの大きな違いは「乗れるバイクの範囲」と「教習の時限数」です。AT限定は乗れる範囲が狭くなる代わりに、技能教習の時限が少なく決められています。

大型二輪MTと大型二輪ATの違いを、まずは2列で比べてみましょう。

AT限定大型二輪のよい所
  • クラッチ操作とギアチェンジを覚えなくてよい
  • 技能教習の時限数が少なく決められている
  • 渋滞や低速の場面で操作に気を取られにくい
AT限定大型二輪で気をつける所
  • クラッチ操作のあるバイクは大型・普通二輪とも乗れない
  • 選べるバイクのタイプが限られる
  • 後からMTに乗るには限定解除が要る

教習の時限数は持っている免許で変わる

指定教習所の技能教習の時限数は、道路交通法施行規則の別表第四で決まっています。1時限は50分で、表の数は最短の数です。

今持っている免許AT大型二輪の技能MT大型二輪の技能
何も持っていない・原付だけ29時限36時限
普通免許など車の免許24時限31時限
普通二輪(MT)9時限12時限
AT普通二輪10時限16時限
小型限定普通二輪17時限20時限
AT小型限定普通二輪18時限24時限

学科教習は、AT限定かMTかでは変わりません。何も持っていない人は26時限、普通免許などがある人は1時限、普通二輪免許がある人は0時限です。

AT大型二輪とMT大型二輪の技能教習の時限数を、持っている免許別に並べて比べた図解

『AT普通二輪から大型を取るなら、MTよりATのほうがずっと近い』という点が表から分かりますよね。AT普通二輪ありならAT大型二輪は10時限、MT大型二輪は16時限です。

費用への響き方はAT限定大型二輪の費用で詳しく紹介しています。

AT限定が向く人・MTが向く人

どちらが向くかは、乗りたいバイクと、今持っている免許でかなり変わります。よくある状況ごとに当てはめてみましょう。

今の状況向きやすいのは理由
乗りたいのが大型スクーター型AT限定時限が少なく、乗りたい車に足りる
AT普通二輪でスクーターに乗っているAT限定操作に慣れていて、時限も10時限
普通二輪(MT)を持っているMTMT大型も12時限で、乗れる範囲が広い
乗りたい車種がまだ決まっていないMT後から選べるバイクの幅が広い
車の免許だけで、クラッチ操作に不安があるどちらも検討AT24時限・MT31時限の差と乗りたい車で決める

『普通二輪のMTを持っているのに、あえてATにする意味はある?』と迷う方もいますよね。時限の差は3時限なので、乗れる範囲が広いMTを選ぶ人が多い場面です。

試験の課題はMTとほぼ同じ

大型二輪の技能試験の課題には、一本橋(直線狭路)・スラローム(連続進路転換)・波状路などがあります。試験場の基準では、一本橋は10秒以上、スラロームは7秒以下、急制動は40km/hからです。

AT車だから課題が軽くなるわけではありません。ただし、波状路は立ち姿勢で走るのが基本ですが、スクーター型の大型二輪車は着座姿勢で走ることになっています。

試験車の排気量

法令上、MTの大型二輪の試験車は総排気量700cc以上です。AT限定は当分の間、600cc以上と読み替えられています。警視庁の試験車は650ccのAT二輪車と案内されています。

大型二輪のAT限定は難しい?つまずきやすい所

難しさの中心は重さ

大型二輪のAT限定で難しいと言われるのは、クラッチ操作ではなく車体の重さと大きさに慣れる所です。引き起こしや取り回し、低速でのバランスが最初の壁になります。

『ATなら簡単そう』と思って入校し、最初の取り回しで驚く方も少なくありません。試験に使う大型二輪は、試験場の基準で車両重量200キログラム以上と決められています。

クラッチがない分、半クラッチで速度を調整する手段がありません。そのため、一本橋のようにゆっくり進む課題では、アクセルとブレーキだけで速度を保つことになります。

つまずきやすい場面と考え方

よく話題になる場面を、表にまとめました。運転のコツは一般的な教本レベルの話なので、教習では指導員の説明を優先してください。

つまずきやすい場面起きやすいこと考え方
引き起こし・取り回し重くて起こせない、押して歩くとふらつく腕より脚と腰を使う姿勢を教わる
一本橋速く渡りすぎて10秒に届かない目線を遠くに置き、ブレーキで速度を整える
スラローム7秒以内に抜けられない曲がる先を早めに見て、アクセルの開け閉めを滑らかにする
波状路突起でバランスを崩すスクーター型は着座のまま、ゆっくり通る
急制動止まりきれない指定の速度と開始位置を体で覚える

例えばこんな場面があります。

「AT車だから一本橋は楽だと思っていました」
「半クラッチがない分、ブレーキで速度を整えるのに慣れるまで時間がかかる人もいますよ」

入校前にしておくと楽になること

実は、教習が始まる前の準備でも、最初の数時限の気持ちの余裕がかなり変わります。特別な練習ではなく、次のような身の回りの準備で十分です。

入校前の準備
  1. 教習で使う車がスクーター型かどうかを教習所に聞いておく
  2. くるぶしまで隠れる靴と、動きやすい長袖・長ズボンを用意する
  3. 通える曜日と時間帯を決め、1週間の予約の取り方を考えておく
  4. 引き起こしや一本橋の動画や図で、流れだけ先に見ておく

教習車のタイプによって、ニーグリップのしやすさや足の置き方も変わります。『自分が乗る車を知らないまま初日を迎えるのは不安』という方は、申し込みの時に聞いてみてください。

引き起こしや取り回しのコツは大型二輪の引き起こし・取り回しのコツで紹介しています。

AT限定を選んで後悔しないためのチェック

選ぶ前に決めておくこと

AT限定にするかは「今乗りたいバイク」だけでなく、「数年後に乗りたくなりそうなバイク」で考えるのがコツです。MTに乗りたくなった時は限定解除の教習が必要になります。

AT限定を取ったあとに『やっぱりMTの大型にも乗りたい』と感じる方もいます。そう思うのは自然なことです。

ただ、その時は限定解除の教習と審査を受けることになります。

AT限定にする前のチェック
  • 乗りたいバイクがクラッチ操作のないAT仕様かを確かめた
  • 数年先に乗りたいタイプも、AT仕様で見つかりそうか考えた
  • 通える範囲にAT大型二輪の教習を受け付ける教習所があるか調べた
  • 持っている免許でAT大型とMT大型の時限数を比べた
  • MTに乗りたくなった時の限定解除の流れを知っている

ATとMTで迷っている場合は、大型二輪はATとMTどっち?迷った時の判断表で、乗りたいバイク・教習の負担・将来の乗り換えから選ぶ方法を紹介しています。

MTに乗りたくなったら限定解除という道もある

AT限定で取ったあとでも、MTの大型二輪に乗れるようにする方法はあります。教習所で技能教習を受け、審査に合格してから、運転免許試験場で免許証の条件を変更する流れです。

AT大型二輪から大型二輪への限定解除の技能教習は、教習所の案内では8時限とされています。法令の別表には限定解除の時限が載っていないので、通う教習所の案内で確かめておきましょう。

限定解除の流れはAT限定大型二輪の限定解除を見てみてください。

AT大型二輪の教習を受け付けているかは教習所ごとに違う

AT大型二輪のコースをどの所持免許の人向けに用意しているかは、教習所によって違います。例えば、ある教習所の公開料金では、AT大型二輪の料金を普通二輪やAT普通二輪を持っている人向けだけ載せていました。

申し込む前に、自分の持っている免許でAT大型二輪の教習が受けられるかを電話などで聞いておきましょう。探し方はAT限定大型二輪の教習所選びで紹介しています。

教習所のコースに置かれたクラッチ操作のない架空の大型スクーター型バイクと、ヘルメットを着けた教習生の後ろ姿

AT限定の大型を取ったら、次は乗るバイク選びですよね。今のスクーターや普通二輪から乗り換えるなら、手元のバイクがいくらになるかを先に確かめておくと、次の1台の予算が立てやすくなります。

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大型に乗り換える前に、今のバイクがいくらになるか確かめてみませんか

今の普通二輪や乗らなくなったバイクがあるなら、バイク買取の無料査定サービスで今の値段を確かめる方法があります。売るかどうかは査定額を見てから決められます。

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AT限定大型二輪免許のよくある相談

相談の多くは「取れるか」「難しいか」

知恵袋などでよく見かけるAT限定大型二輪の相談は、今の免許から受けられるか、難しいか、ほかの免許が要るか、の3つが中心です。内容を要約して答えます。

AT限定の普通二輪免許しかないけど、大型二輪免許は受けられる?

はい、受けられます。AT普通二輪を持っている人は、AT大型二輪なら技能10時限、MT大型二輪なら技能16時限が最短の時限数です。

どちらも学科教習は0時限です。MTの大型を目指す場合は、クラッチ操作を一から覚える分だけ時限が増えると考えておきましょう。

AT限定大型二輪免許って取るのは難しい?

クラッチ操作がない分、操作で覚えることは少なくなります。ただ、車体は大型なので、取り回しや低速の課題に慣れるまで時間がかかる人もいます。

大型二輪のAT限定が難しいかどうかは、体格よりも「重い車体の扱いに慣れるまで練習できるか」で変わります。補習が出ても焦らず、教習の期限の中で計画を立てておくと安心です。

車の免許を持っていないと、AT限定大型二輪免許は取れない?

いいえ、取れます。大型二輪の受験資格は18歳以上で、ほかの免許の経歴は要りません。

ただし、何も持っていない人は、教習所で技能29時限と学科26時限を受けることになります。普通免許などがある人は技能24時限・学科1時限です。

相談の内容答えポイント
AT普通二輪から受けられる?受けられるAT大型10時限・MT大型16時限
難しい?重さに慣れるのが中心引き起こし・低速の課題
車の免許が要る?要らない18歳以上なら受けられる

よくある質問

AT限定大型二輪免許で、400cc以下のAT車にも乗れますか?

乗れます。大型二輪免許は普通自動二輪車も運転できる免許なので、AT限定でも400cc以下のAT車は運転できます。クラッチ操作のある普通二輪は運転できません。

大型二輪のAT免許に、排気量の上限はありますか?

今はありません。2019年12月1日に650cc以下という上限がなくなり、警視庁も「総排気量に制限はありません」と案内しています。

以前にAT限定大型二輪を取った人も、650ccを超えるAT車に乗れますか?

乗れます。改正の時点で付いていた650cc以下の条件は、排気量の制限のないAT限定の条件とみなされることになりました。

大型二輪at限定免許の試験車は何ccですか?

法令上、AT限定の大型二輪の試験車は当分の間600cc以上とされています。警視庁の試験車は650ccのAT二輪車と案内されています。

AT大型二輪免許からMTに乗れるようにするには?

教習所で限定解除の教習を受けて審査に合格し、運転免許試験場で条件の変更をします。時限数は教習所の案内で確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • AT限定大型二輪免許は、クラッチ操作のないAT二輪車なら排気量の上限なく運転できる
  • 650cc以下の上限は2019年12月1日になくなり、前から持っていた人も同じ扱いになった
  • 乗れるかどうかは見た目ではなく、クラッチの操作装置が付いているかで見分ける
  • 技能教習の時限数はMTより少なく、AT普通二輪ありならAT大型は10時限
  • 難しさの中心は車体の重さと低速の課題で、選ぶ前に将来乗りたいバイクも考えておく
大型二輪ドットコム

大型二輪ドットコム 編集部

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